一冊の 本を求めて ひもすがら 神田の街を さまよひにけり ほとほとに 疲れて いそぐ わが腰の 雑嚢にあり 漢詩読本 世をおさめ 民を救はむ はげしくも 燃え立つ命 経世嗩言 わが膝と 膝をまじへて ひたぶるに 教乞ひたし 安岡の大人(うし) 今の世の 哲人…
菅の根の ながき春日を ひたごころ ひとりしあれば 欲しきもの 更にいまなし うらうらと 照る日の部屋は 風のねの こそりともせず はるかなる 人ぞ偲ばる うとうとと 春日をねむる うらさぶる こころもなくて 白ひかる 子猫のごとく しんかんと ま昼のなかに…
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