鏡真人作品集

大正11年生まれの鏡 真人(きょう まさと)の作品集です。戦中戦後の激動の時代の思いを、詩や短歌で綴っています。

昭和28年

金魚のうた

このぎゃまんの獄(ひとや) とばり重く垂れ あかあかと尾ひれみじかく ひょうひょうと飛ぶは いかにもこれは汝れが夫(つま) 眼いよいよ爛として内に燃ゆるもの 全身これことごとく黒衣なるは汝れが妹(いも) われら捕はれの身にしあれば 天を仰いで嫋々…