2017-12-01 春日遅々 詩集 長歌 昭和22年 菅の根の ながき春日を ひたごころ ひとりしあれば 欲しきもの 更にいまなし うらうらと 照る日の部屋は 風のねの こそりともせず はるかなる 人ぞ偲ばる うとうとと 春日をねむる うらさぶる こころもなくて 白ひかる 子猫のごとく しんかんと ま昼のなかに ひとりして 畳にふせば 忘れけり 夢もうつつも (昭和二十二年四月)