2017-06-28 友情について 詩集 詩 昭和32年 友 - 神谷良平兄に 遠くへ行ってしまうという友よ かつてぼくが君であり 君がぼくであった はるかな時代・・・ それは神話だったろうか いや いや そのまま生きつづけたぼくらにとって 狂おしい一頁は過去ではない 薄倖な詩人が愛した そのやさしい 田舎町へ行ってしまう友よ ふりつむ雪のうえに ぼくらの過ぎさった友情のあとを記そう 死んでいった若い友人たちの願いを はるかな月光に投げかけよう 幼かったぼくらの 溢れる愛情を はてしない 五月の空に・・・ (昭和三十二年五月)