2017-10-06 松籟 詩集 短歌 昭和24年 この山の ひょろりと高き いっぽんの 松のしたねに いこひてゆかな ちち ち ち と鳴くに 仰げば ゆららゆらゆららと 松のゆれわたりつつ 山にして まなこつむれば 山なりの ひょうひょうとして 烈しきものを 持ちてこし 書(ふみ) かたはらに おきすてて 松風の鳴り きくこころかも みあぐれば 松のあひまゆ 秋のひの陽(ひ)は やうやくに 晴れてくるかも (昭和二十四年十月)